歯医者の仕事は常に唾液との戦いのようなものだ。
午前中に10歳の女の子にマルチブラケットを装着した。
唾液が多く出てきてとても装着しにくかった。
しかも下顎の第一大臼歯はバイトが深くバンドをすることができない。
でも片側ずつつけるなど工夫したりし、時間がかかったが両側のチューブを接着した。
なんとか脱落せずにワイヤーをセットして終わることができた。
帰り際、脱落しやすい事は10分説明しておいたが脱落の心配はしていた。
案の定、午後3時ごろ電話が入った。右下のチューブがはずれたという。
幸い家が遠くなかったため、すぐに来院していただいた。確かに右下がとれている。
そこで別の工夫をして何とか右下をつけ終わった。
患者さんは言っていなかったが左下も心配になりチェックしてみると残念なことにはずれていた。
時間がかかったが何とか修復した。若い人は唾液があふれてくる事は承知しているが、それにしても今日はひどかった。
ずっと昔ある矯正歯科医院で、装置を装着する前に唾液抑制の薬を飲ませていると聞いたことがある。
その時はそこまでするかと思ったが今日は本当にそうしたいと思った。
これで何とか次の予約までついていてくれて急患の電話がかかってこないのを願っているのだが。