11歳の女の子が近隣歯科医院の紹介で矯正相談に来た。
ケースとしては上顎犬歯の出るスペースが全くない叢生だった。
いつもと同じような説明をしている中で、患者さんのお父さんが当クリニックで治療したことがあるということを聞いた。
問診票の保護者の父親の名前を見ても記憶にはない。
すぐにスタッフが古いカルテを探しだしててきてくれた。
そのカルテの作成日は昭和60年だった。当時の父親の年齢が11歳、まさに今の娘さんと同じ年齢だ。
30年余りすぎて世代を変えて、また私が治療をすることになるらしい。
その当時は、まだ沼津駅の南口の松田ビルの三階を借りて開業3年目の頃だ。
それから、その父親は動的治療を昭和時代に終えて、保定は平成に入って4年まで診て終了となっていた。
その間の昭和62年秋には診療所を北口の現在の診療所近くに移している。その辺を見ている患者さんのはずだ。
今までにも昔、私が治療した患者さんの子供というケースはいくつかあった。
しかし、その場合は患者さん何すでに大人になってから治療したケースが多かった。
今日のように父親が子供の頃治療を受け、同じ年齢の子供が相談に来たと言う事は珍しい。
以前、矯正歯科の大先輩に、矯正を治療を施した人の子供治療するようになって初めて本物の矯正歯科医になるんだ と聞いたことがある。
言われた頃は、まだまだ自分には関係ないと思っていたような気がする。
でもそれは、きっと今日のようなことを言っていたのだろう。
これからこういうことが頻繁に見られるようになるのかもしれない。