今日の午前の矯正相談は31歳女性だった。
ケースとしては特に難しくない叢生、しかし口元は出ていて唇は閉じにくい状態であった。
近隣の一般歯科で相談して歯を抜かないでできると言われたようだ。
しかし、私が診ると抜かないで治療したらば口元はとても出て、さらに唇が閉じにくくなる事が予測できる。
マルチブラケットを使い2年以内に動的治療を終了できると通常の説明をした。
その説明に対してインビザラインではどうかと質問してくる。
私はこのような抜歯ケースでは不適当でしょうと答えた。
次はデーモンシステムはいかがでしょうか?と聞かれた。
私はやっていないが、デーモンシステムは治療期間が早かったり通院回数が少なかったりするらしいことは知っている。
しかし、それはデーモンブラケットを使えばできるというものではなく、そのシステムに熟達しなければ効果はないだろう。
普通のブラケットを使っても工夫次第でそのような事はできる。
今日の相談者のようにネットで情報集めると色々と知識が豊富になる。
それは大変結構なことだと思う。
ただしその情報に惑わされて、自分が本当に行いたいことに行きつかないことが心配だ。
今日の相談の方は半年後にフランスに行くという。そしてすぐに帰ってくると言う状態ではなさそうだ。
通常の矯正治療のやり方で、特に大人の抜歯ケースではとても半年では仕上がらない。
私はこの場合、ここであわててやらないことがいちばんいいと思う。
ネット知識をたよりに、おかしな矯正治療法に迷い込んで後悔しないことを願っている。