22歳女性の診断を先日行った。
上顎前突に加えて大臼歯の鋏状咬合(両側)を伴うとても難しいケースの診断だった。
最初の診断では治療方針を決定することができず2度目のお話となった。
非常に治療方針に悩んだが、先輩とも相談し、智歯をだして、4本すべての第一小臼歯と第二大臼歯、合計8本を抜く事に決めた。
その際、患者さんの母親から前歯だけ何とかならないかという話も出た。
しかし我らの常識からはその案はうかばないので断ってしまった。
そして患者さんの希望する一般歯科医院へ抜歯の依頼書を書いた。
しかしそのお話のあとで治療方針が気になって仕方がなくなる。
我らの常識の中になくても治療方針はあるのではないか、8本の抜歯依頼を受けた一般歯科医院はどう思うだろうか。
そこで休みの日にもかかわらず患者さん宅に電話をした。幸い本人も母親も在宅で再度相談する日時を決めた。
その相談の日が今日だった。
そして常識的な抜歯部位、上下左右の第一小臼歯に依頼書を書き換えた。
大臼歯の鋏状の咬合については成行きまかせとした。
ずいぶん自信のない妥協的な治療法になってしまったように思う。
でも患者さんの望んでいる部分を短期間に治療する、これで良いのかもしれない。