数年前、ブラケットが脱落して困った時期があった。当時は筆積みで粉と液の接着材(MCP)を使用していた。原因は不明だったが、オームコ社のオーソソロを歯面に塗ることで、かなり脱落率を減らすことができた。
しかし、最近は光重合の照射機の強力なライトが発達して数秒で接着すると言われている。さらにエッチングせずに、1液処理で済む接着剤も発売されてきた。その方が能率的で歯にも負担をかけないので、当院でも筆積法から光重合に、またエッチングをせずに1液で接着を始めてから間もない時期だ。
材料屋から1秒の光照射で着くなどと言われて行っていたのがいけないのかもしれないし、エッチングは強力な接着には必要なことかもしれない。接着したばかり時はしっかりついているように見えても後で、数多く脱落してくるのでこまっている。
そのたびに来院していただかなければならずに患者には申し訳なく思っている。何とか原因をつきとめて、スムーズな治療の進行にしていかなければならない。