歯の裏側にマルチブラケットをつけて治療するやり方、これは40年くらい前、藤田先生が考案し神奈川歯科大学で始められた。
私はすぐに興味を持ち神奈川歯科大学まで行って藤田先生に見せていただいた。その後講習会にも参加した。
その頃、裏側からの治療を希望する数人に施術してみたが、なかなか難しく思うように仕上げられなかった。
その結果、ほとんどやらなくなってしまった。
時は流れ、現在は藤田先生の方法以外にも色々な会社からリンガルブラケットや舌側用ワイヤーも売り出されている。
さらには模型を送るだけで装置がつけられるようにしてくる会社もあるようだ。
当クリニックの初診相談のとき「裏側からの装置ではできないか?」という希望は時々ある。
その時、表からのやり方と違い、期間、費用、仕上がりなどに注意が必要だと説明する。
期間や費用は多くかかり、仕上がりは熟練の先生にやっていただかないとうまくはいかない。
だから安易に舌側の矯正に入り込まず、やりたければ徹底的にこだわりを持って、専門的にやっている信頼できるところで治療を受けると良いと言う。
片手間に裏側からの治療もやっているというようなところは避けた方が良い。
今日の初診相談は上顎舌側に装置がついていた。
患者さんは治療が進まないとのことでセカンドオピニオンを受けに来た。
矯正治療の場合、装置のついている患者さんの希望だけで治療を引き受けるのは難しい。
極力、装置をつけてもらったところで終わっていくことが望ましいと伝える。
しかし、どうしてもそこでやっていけない事情があれば引き受けざるを得ない。
今日は一般的なアドバイスだけで終わったのだが、今後どうなっていくだろうか。
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