今日の矯正相談では8歳の女の子が来院した。
いつものように母親に何が気になりますかとお尋ねした。
母親は何も気になっていないが、学校からきた検診結果に歯並びのことが書かれていたそうだ。
確かに上顎の両側中切歯は少しねじれていた。
私なら8歳の女の子のそのような状態程度では不正咬合の指摘はしないと思う。
不正咬合を学校で指摘し始めたのは平成7年からだったと思う。
もう20年も経っている。
だから学校検診で不正咬合の指摘は多くなっていると思う。
実際に不正咬合が多くなっている面もあるだろうが、学校検診の担当歯科医が軽度な歯列不正や不正咬合を指摘することもあるだろう。
矯正歯科医にとっては仕事が増えることになるが、果たしてそれでよいのだろうか。
また、学校歯科医間での検診に格差が生じてはいけないので歯科医師会でキャリブレーションを行っている。
それでも、現実はかなり差があるのだろう。
う蝕についてはともかく、歯肉炎や不正咬合についてはまだまだ検診した歯科医による差が大きいのではないだろうか。
私は小学校低学年では不正咬合を記録するが、それは観察し、その児童が5 、 6年生になった頃、やはり問題であれば不正咬合にとして指摘している。
そして矯正歯科医が見てとてもひどい状態だけ指摘している。