今日の矯正相談は12歳女子、近隣歯科医院からの紹介状を持ってきた。
紹介状には左上の犬歯の傾斜埋伏のようなことが書かれていた。
口腔内写真を撮ると、その部分の乳犬歯は残存し、その上の粘膜が膨らんでいて、それが犬歯であろう事は想像できた。
そして、患者さんの母親からの第一声は八重歯はよく見かけるのに何かいけないのでしょうか。あまりに気にならないのですがと。
そのような質問を最近は聞かなくなったので返答にもつまった。
それで、気にならなければ(主訴がなければ、矯正)治療は始まらず、これからの矯正についての説明も必要ないのではないでしょうか というような会話から始まってしまった。
最近は、インターネットで知識をいっぱい身に付け、他の所でも相談にしてきて、ここで何件目です なんて言う人も当たり前になってきた。
そんな時代に珍しいと思ったが、矯正治療についての一通りの説明をした。
でも最後の質問は「犬歯が飛び出してきたら抜いてもらえないでしょうか」の質問だった。
34年前の開業当初はそのような質問は当たり前だったのかもしれない。
飛び出した犬歯を抜いてから、矯正相談に来た例も思い出した。
でも相談を終えてから最近は受けない質問でも、そういう質問もまだあったのだから、昔を思い出してしっかり質問に答えなければいけないと思った。