当クリニックでは低年齢の叢生歯列の拡大は積極的に行なっていない。
今日は6歳女子で下顎の前歯部に叢生があり、あまり前方への拡大ができない口元のように見えた。
それでも一通り、拡大による非抜歯や永久歯列期を待っての抜歯の話を一通りした。
相談に来る患者さんは矯正の一般論を聞きたいわけではなく、自分のケースのみの治療方針などを聞きたい事は分かっている。
しかし、それを話すためには、資料を整えたり分析したりする検査診断が必要となる。
だから、初診相談では矯正の一般的な治療法と検査診断の誘導だけにしておけば良いのだろう。
でも、どうしても見ただけの感じでの見込みを経験から話してしまう傾向がある。
そして将来、抜歯して治療する様な見込みのある人は、通常の検査に誘導せずに永久歯までそのまま待つか簡単な資料のみで定期観察とすることが多い。
そして本格的な矯正の検査は永久歯になってから行う。
そうすれば検査診断料の支払いが一度で済む。
経営者とすればよくないのかもしれないが。患者さんの立場を考えると出費が少なくなるだろう。
今日の患者さんの母親は非抜歯を強く望んでいるように見えた。
しかし、私はこの時期非抜歯で行っても将来抜歯になるだろうという見込みを持った。
そのため、この時期での治療を進めず、抜歯治療への流れとなるような話をした。
その辺での話が食い違い十分に考えていることが伝わらなかったようだ。
この時期の拡大による治療を強く希望していたようだが、私はそれに応えられなかった。
拡大による非抜歯治療をのぞむのなら、そのようなことをしている歯科医院がある。
治療結果が歯列だけでなく口元などに満足されることになることを願っている。