今日の矯正相談は25歳女性、上顎前突が主訴だった。
電話で予約を取る時から既に矯正治療が10年間続いてると言うような言い方だった。
口腔内写真をとると、確かに上顎前突の症状は残っているが矯正治療が施されている様子はよくわかった。
すでに小臼歯は4本抜歯されている。
そこで、今まで受けた矯正治療の履歴を聞いてみた。
近くの一般歯科医院に月一回来ている。矯正歯科医にやってもらったと言う。
実はその矯正歯科医をよく知っている。
技術的にも性格的にも問題なく、治療にもきっと熱心に取り組んだ結果であろうことが想像できた。
だから、患者さんにはおそらく、初診の状態はかなり出っ歯がひどかったでしょう、そしてこれは矯正治療のみでの限界では無いでしょうかと説明した。
私も矯正治療のみではこれ以上改善することはできないでしょうと答えた。
これ以上の事を期待するなら外科併用の矯正治療ということになると説明したが、それには積極的な反応はなかった。
そして10年の治療は普通ですかと問われた、その内訳が動的治療が3年、その後が保定で観察、さらに最近では、年に1度の観察と聞いた時にごく普通の矯正のやり方ですと説明した。
私も昔はそのように10年以上の治療、観察を行ってきたが、最近では自分の年齢も考えて保定を4~5年で終了としている。
最近は外科併用の治療手段を持ち合わせているので矯正治療の限界についてあまり考えなかったが、今回、久しぶりに矯正治療の限界というものについて認識を新たにした。