今日の初診相談は28歳男性、受付ている時には、やや下顎は出ているものの顎変形症ではないだろうなぁとみた。
主訴は上顎歯列、特に前歯部の隙間だった。
臼歯部は両側とも下顎前突の咬合関係をしている。
下顎の前歯は舌側に傾斜していて、上顎の前歯の隙間と相まって正常被蓋となっている。
このまま上下顎にマルチブラケットつけて、上顎の空隙歯列を閉鎖したら、反対咬合になってしまう。
臼歯部の咬合関係や顔つきから上下顎のバランスが悪いことは想像がつく。
しかし顔つきに対しての主訴もなく、それほど見た目も気にならない程度で手術の対象とも考えられない。
顎変形症と考えたのならば、上顎前歯の隙間を閉鎖し、下顎前歯を唇側傾斜させて術前矯正で反対咬合作り出し、手術で下顎を後退させることだろう。
しかし、この場合手術を考えたくない。
そんなときに、下顎には手を付けずに上顎前歯のみ歯を近心(正中に)に寄せていき、見えにくい犬歯の遠心に隙間をまとめ、そこに補綴を考える、そんなことを考えてみた。
これくらいが一番患者さんの負担が軽く主訴を改善する方法ではないだろうか、