41歳女性が、矯正相談に来院された。
問診票には出っ歯のところに〇が付いていた。それは写真を撮りながら理解できた。
そしてその横に正中が一致していないということが書かれていた。それも口腔内写真を見てわかった。
加えて、上顎の歯列弓の右側が内側に倒れているという。それについてはよくわからなかった。
現在、遠くの総合歯科医院に通って、Sprintによる治療を受けているが、 4ヶ月ほど経つが正中が一致する見込みがなさそうだと言っている。
また顎変形症についても尋ねていた。しかし手術を伴う矯正をするほどの上顎前突でもないように見えた。
また下顎の両側の臼歯部にはブリッジが入っている。
上顎の右臼歯部にはブリッジが入っていていたようだが、第二小臼歯のダミーが切除されている。
このような状態を矯正歯科医が上顎前突と正中の一致だけ治療することは可能かもしれない。
しかし、それでこの患者さんは満足することになるだろうか、と感じた。
それに、臼歯部のブリッジの問題も難しそうだ。
結局、当クリニックではお役に立てそうもないという結論で帰っていただいた。
今考えてみると相談者の本当の主訴を聞き出せていなかったということになるのかもしれない。