今日の矯正相談は3人、そのうち2人が顎変形症をがらみの相談だった。
午前の相談は12歳女子、症状は上顎がやや叢生で、咬合は開咬、切縁でマイナスのオーバーバイトが1ミリであった。
この状態で顎変形症と決めるのはちょっと無理があり矯正治療のみで治せないかと診た。
しかし主訴を聞くと顔がとがってきた、長くなってきたという。
確かにそう言う傾向の顔つきではあった。
しかし12歳中学1年生ということもあって、顎変形症の手術の一番早い時期の高校2年生の夏休みにはまだ4年ばかりあるので、毎年1回の観察として高校入学時に方向決定することにした。
午後の相談は22歳女性、反対咬合で左上側切歯が捻転しているために正中がずれているように見えた。
この方も反対咬合だけが主訴であれば、その改善は矯正治療のみで可能であろう。
しかし相談の内容は、咬合よりもむしろ反対の顔つき、オトガイ部が出ていることのようだった。
この患者さんの場合は、主には矯正治療のみで治す説明をし、顎変形症の説明も多少は行った。
顎変形症の多くなりだした数年前からそういう状態をどこで線を引いて手術を伴う矯正か矯正のみか判断するのに悩んだ。
前回の顎変形症学会に参加したときに口腔外科医が審美のことを強く打ち出していた。
相談窓口となる矯正歯科医はどう考えたらいいのだろうか。