毎日の診療で気付いたこと

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精密な仕上げを望まれる

矯正治療でマルチブラケットで行う場合かなり精密に歯を動かすことができる。

そのためゴールをどこに置くか装置撤去のたびに気になっている。

矯正治療の教科書的な治療目標は心得ているつもりだ。

上下顎正中一致、スペースなく、臼歯咬合関係Ⅰ級、適切なオーバーバイト、オーバージェット・・・など。

しかしそれを厳密に達成する治療期間や限界でいつも悩むことになる。

大抵の場合治療期間2年以内を目指してそのあたりで治療目標の達成程度を患者さんと相談する。

今日のケースは28歳女性、非抜歯矯正治療の経験がある上下顎前突だった。

叢生がないこのケースは意外に期間がかかる。

このケースも2年の時点でまだ少しスペースが残っていたので治療を続けた。

2年半の今日はスペースもなくなり、気になっていた下顎前歯の捻転も改善した。他の条件はほぼ整っている。

これでどうでしょうかと尋ねたところ左下1の切縁は揃っているが歯頚部が出ているという。

また左下3がわずかに捻転し舌面が前歯と平らでない。

それを理解するのにも時間がかかった。

写真をとり、プリントや画面で拡大して相談した。

やっと理解して、それを改善すべくワイヤーを曲げた。

この患者さんは期間についてはあまりこだわっていないようだ。

それならば、望むようにできるだけ整えることにした。

この患者さんや、症例展示の症例の治療期間と仕上がりをみると2年以内を意識した私の仕上げが少し甘いのかな思った。

しかし、精密に仕上げてもちょっと保定装置の不都合(不使用、破損など)で崩れ去るのを多く見ている。

現実にはどのあたりに仕上げの目標をおくのかいつも悩んでいる。

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