今日の矯正相談は20代女性、主訴は叢生だった。
まず口腔内写真を撮っている時に上下顎左右側の第一小臼歯がないことに気づいた。
加えて、全体的に歯肉が退縮し、下顎前歯にはブラックトライアングルが見られる。
これはてっきり矯正治療を大人になってやったものだと思った。
そして保定が十分されなくて叢生が現れたものと、勝手に思い込んでしまった。
だから相談開始時にまず、今までに受けた矯正治療について教えてくださいと言った。
そうしたら矯正治療はやったことありませんとの返事が来た。
それでは先天欠如なのかと考えてみるが、小臼歯が上下左右1本ずつ?そんな欠如はないだろうと思った。
さらに聞いていくと4本は歯科医が抜いている、しかし矯正装置はつけていないとのことだった。
むかし、小児歯科で教わった「連続抜去」だと理解した。
矯正歯科をやっていると、その考え方で小臼歯を抜歯しても、多少の叢生や空隙が残ってしまう。
そのまま終了にはできない。装置をつけてしまう。そして保定までいってしまう。
こう言う道筋しか考えられなくなっていた。
この相談者の小臼歯がない事情は分かったが、歯肉退縮は歯磨きのせいだろうか、歯は白くぴかぴかしていた。
叢生の程度は強くないが矯正治療を行えば、さらに歯肉退縮はひどくブラックトライアングルも大きくなるだろう。
そのことは十分に説明し考えてもらうことにした。