今日の新患の一人は40代女性で「噛めない」ことが主訴だった。矯正治療を長い間やっていて新患相談も多く受けるが「噛めない」「噛みにくい」のような主訴は少ない。
極端な開咬で、上下顎の最後臼歯がわずかに噛んでいるだけでも、噛むことへに不自由をあまり訴えない。だから噛める、噛めないと言う感覚は上下顎の歯がどれだけ接触することができるかだけではないようだ。
矯正治療の目的には当然、咬合の改善があるし、患者さんにはいつも見た目だけでなく咬み合わせを作り上げるのが矯正治療ですと説明している。
しかし、いざ「噛めない」と言われても、ちょっと見ただけだが上下の歯はそれなりに接触しているようだ。
その患者さんは4年前に顎関節の症状を経験してから噛め内容になったと言っていた。だから噛めない原因を顎関節と咬合の不調和ではないかと疑った。
しかしパノラマX線写真程度の検査では特別な異常を認めない。
顎関節をより詳しく検査して異常がなけらば、矯正治療で咬合をつけていくことになるのだが、模型や咬合器上で理想的な咬合を作りだしても、はたして主訴の改善につながるかどうかわからない。
患者さんが話す困っていることをことをよく聞き、できる限りの対応をしていくことになるだろう。