2年前にマルチブラケットでの治療を終えて、保定観察中の16歳の女子が来院した。
右下第2大臼歯がはえきらずに歯肉弁を切除したと言っていたので様子を診た。1週間目に切除したと言っていたのにまだ傷が癒えていない。
それに対咬する上顎第2大臼歯は頬側に出てきている。このままでは鋏状咬合になりそうだ。
このケースは抜歯しないでならべた。リテーナーも良く使用しているので第一大臼歯より前方は大変良くならんでよい咬合となっている。
そのことが、歯の並ぶ隙間という意味では無理があるのだろう。後ろにしわ寄せされてと考える事になる。
さらにその後ろにある親知らずにしわ寄せされるのは現代では当たり前のようだが、その手前にまで最近は隙間不足が及んでいる。
このことから考えると、抜歯しないで並べるばかりが良い治療ではないということになる。
矯正での抜歯は長い間議論され、必要な時には抜歯が適当だと思われる。いまだに非抜歯だけでの治療を宣伝しているところもあるようだが、どんなものかものか。
矯正治療について