今日の新患は13歳の男子で上顎前突だった。
口元は出ていて、口唇閉鎖も困難そうで、上顎前歯の唇側傾斜、正中離開、オーバージェットは大きいが、下顎歯列に叢生はない。
一応、一通りの永久歯列の上顎前突の治療について説明した。
しかし、希望は上顎前歯の唇側傾斜と正中離開だけ治ればよいという。そのように話す気持ちは非常によくわかる。
見た目が少し良くなれば、それで十分ということだろう。
それに対して、すぐに、「はいわかりました」とは専門医は言うべきではなかろう。
まずは診断して問題点を挙げてそれに対しての治療法を提示すべきだと思う。
その上で、どうしても、費用、期間、装置などで部分的な治療を希望される時には、それに応じても良いと思う。その時にもそれだけを治療するときの問題点を明示して了解を得るべきだろう。
そして、その結果部分的な矯正治療になった場合でも専門医としての知識と技術で手を抜かずにやるべきことだと思っている。