12歳男子で右の側切歯のクロスバイトを主訴に来院し、リンがルアーチで数ヶ月治療して、上顎前歯をワイヤーを張り付けたリテーナーでとどめて現在では1年に1度の観察をしてきた。
16歳になる今年の検診では下顎前歯に叢生が現れてきている。それは下顎が前に出ようとしているのを上顎前歯でとめているためのしわ寄せが下顎前歯に出てきたものと思われる。
このケース以外にも8歳くらいで被蓋改善(前歯の反対のかみ合わせを治す)した後、成長により下顎前歯に叢生を生ずることをよくみかける。
このようなケースは前歯が反対のかみ合わせで会ったほうが、骨格に対しての咬合はバランスがよかったのかなと考えてしまう。
そんなケースを見たとき、以前はなんとか外科を避けて、矯正だけで頑張ろうとしてきたが、外科矯正の発達してきた現在、矯正のみで終わらせるほうが不自然なのかもしれないと思わざるをえない。