今日の新患は28歳女性で下顎前歯の叢生を気にされて相談にみえた。
しかし、それだけではなく上顎前突の問題、口唇閉鎖の問題などがある。
また上顎左右中切歯はセラミック冠の連結で差し歯になっているようだった。一目見てこれは矯正治療にとってやりにくいことになっていると感じた。
そのことを指摘すると、午前に別の矯正歯科医に相談に行き同じことを言われてきたとのことだった。
聞けば6年前に1本出ていた前歯を2回の治療で差し歯にして治したそうだ。確かにその歯自体は良く修復されている。
その歯だけ見れば良い治療を受け手ともいえる。しかしそれは矯正治療を行わないことが前提で、その後、矯正治療をやろうとなると面倒なことになる。
相談者はその治療のことを指摘されて、その当時、矯正治療を考えなかったことを悔いているようだった。
その補綴処置は2回で行われたそうで、どんなやり方があるのか考える余裕もなかったろう。その術者は一言、「今後、矯正治療は考えませんね」というように言っていれば、今日のようなことは起こらなかったろう。
そして、初診相談の後、私のところで「すぐに検査ができないか」といわれた。検査の時間がなかったわけでもないが、やはり考える時間、迷う時間は必要なことと考えて次回検査ということにした。
考えているうちに当院での治療しなくなるのかもしれないが、しっかり考えたうえでの結論ならそれもいいだろう。
矯正治療は長く費用もかかり、協力もいる。しっかり考えて上で当院での治療を決めてもらいたい。そして決めてなら良い信頼関係で治療を成功させたい。