矯正治療にはニッケルを含む金属を使った治療具が多い。そのことで苦労した患者が来院した。
2001年初診時10歳男子で上顎前突をプレートで治療し始めた。初期は問題なく使っていたが1年過ぎた頃より上口唇が腫れに対して小児科医に金属アレルギーを指摘され、皮膚科医にパッチテストで確認された。
プレートの唇側線が原因と考えて、プレートは中止した。次の治療法に困ったが熱可塑性のシートをセットアップした石膏模型に圧接して装置作り使用してもらった。金属ではなかったため装着に問題なくⅠ期治療は成功した。
そしてマルチブラケットのⅡ期治療には進まないことにして観察を続けた。現在もその装置を使用しているが、かみ合わせが深くなり、正中離開が見られるようになり、今後どのようにしようかと相談した。
ブラケットやチューブがチタンで作られていて、ニッケルフリーの装置も聞いたことはあるが、マルチブラケットをつけるのであればそのようなものを使うことになるのかと思っている。