今日の新患相談は40代女性、典型的な歯槽性の上下顎前突であった。
すでに矯正歯科医院での診断を終えていて、リスクが大きいので、その医院では治療できないと言われたそうだ。
そこで当院に来院されたわけだが、専門医の診断なのでセカンドオピニオンを言うにも結果は似てくる。
難しい要素では上顎中切歯を20年ほど抜髄して歯軸を変えて上顎前突を治しているようようだ。
加えて左下顎第一大臼歯の欠損(ブリッジで補綴済み)、右下顎第一大臼歯のクラウンなどの治療しにくい条件がある。
下顎第2大臼歯の歯周組織にも問題がある。
診断模型を見ると下顎前歯に少し叢生があるものの、ブリッジを含め、両側臼歯部、前歯部はしっかり咬合している。
これを患者さんが希望すれば、上顎第一小臼歯、および下顎もどこかの歯を抜歯し、リスクを心配しながら治療することが良いことなのだろうかだろうかと考え込んでしまった。
外科併用すれば短期で良好に改善できることも考えられる。しかし、顎変形症として治療の対象として考えるには無理があるよな気がする。
患者さんが強く治療を希望していたようで、どこかリスクを克服しながら治療してくれる良い矯正医院にめぐり合い満足な治療結果が出ることを願っている。