10歳男子の反対咬合の患者さんが初診相談にみえた。
見るからに骨格的に問題のありそうな反対咬合に下顎前突だ。
しかし、バイトは深く、上下前歯の切端を接触すること(構成咬合)ができることから被蓋改善(反対のかみ合わせを治す)ことはできるとみた。
30年前だったら、すぐに検査、診断、そしてリンガルアーチ、チンキャップそれにスライディングプレートを加えて短期間で被蓋改善を行っただろう。
しかし、最近はほとんどチンキャップを使っていないし、混合歯列期の反対咬合はかなり少ない。
だから、説明はこのまま永久歯への交換や成長を観察しましょうということが中心となる。
成長の目途がついたころ抜歯ケースとしてマルチブラケット治療を行うか、顎変形症として外科手術併用で保険治療で行っていくかだ。
しかし、母親はこの時期の治療を望んでいるが私は治療が長引くこの時期の治療は避けたいと思っている。
結局、検査は行うことになった。検査しておけば、この時期にやらないことになっても資料は成長の比較に役立つことになるから。