25歳の女性が出っ歯の矯正相談に来院した。オーバージェットも大きく、開咬の状態でもあった。
過去の矯正治療について尋ねた。高校生の時に矯正治療を受けているそうだ。
過去に矯正治療を受けている人は、たとえ戻っていたとしても、治療を受けた事は感ずるものだ。また、言わなくても、こちらから聞くこともある。
しかし今回は、まったくそのような痕跡がなかった。
少し事情をきくと、その時に何軒か相談したが、すべて抜歯を提案したそうだ。
唯一、抜歯しなくてもできると言った一般歯科で治療を受けた。
マウスピースをつけて、その後に針金の装置とも言っていたが、すぐに戻り、再治療を提案されたが止めたらしい。
そして、その治療に今日当院で説明した以上の金額を支払っているそうだ。
そのことから2つの問題を感ずる。
一つは何軒かの歯医者から抜歯が必要といわれながら、非抜歯の提案にすがる患者さんの心理。
もう一つは、非抜歯でできるわけがない矯正治療を受ける歯医者。
その歯科医院はすでにないし、患者さんもそのことから抜歯の必要性を学び、今日の相談では問題なく抜歯を受け入れた。
当院で治療することになれば、これが専門医の施す矯正治療だとわかるような結果を出したい考えている。