
一般歯科で矯正治療を受けて、保定1年半ほどの30歳、女性の患者さんが相談に来院された。
上下左右の第一小臼歯の抜歯で、歯列、咬合状態は良好に安定していた。現在までプレートタイプのリテーナーを終日使用しているという。
その方の相談内容は、下顎前歯の歯槽骨が半分程度になっている。そのため4前歯の抜髄と連結冠を勧められている。そしてリテーナーは、はずしたいらしい。
「あまりやりたくないがどうしたらよいものか」というような内容の相談だった。
矯正歯科専門医はそのような治療方針は立てないだろう。と専門医の見解を一つの意見として説明した。
リテーナーの夜間使用を長く続けるか、下顎前歯部に固定式(冠ではなくワイヤー)タイプの保定でよいのではないかと説明した。
その一般歯科医院の矯正治療の仕上げは良好だし、歯槽骨の吸収もやむを得ないという面もある。抜髄、連結冠も一般歯科で通常行われ、きっとうまく仕上げてくれることは期待できそうだ。
しかし、矯正専門との発想の違いのようなことを感じた。どちらがよいというものでもないと思う。患者さんが結論を出すべきものだと思う。
帰り際、明るくお礼を言われたので、患者さんの意に沿うアドバイスができたのかと思った。