毎日の診療で気付いたこと

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咬合調整

半年余り前に、マルチブラケットを撤去した26歳女性が来院した。

マルチブラケットで3年くらいかかってしまった患者さんで仕上がりでわずかにオーバージェットを残してしまった。

その後、何度か来院したが、歯列咬合は安定している状態だった。

しかし今日の訴えは前歯で肉が噛み切れないという。

少しオーバージェットがあるため、下顎の前方運動をしてもらうと右側の側切歯が早期接触して前歯部が2ミリほど開いてしまう。

これでは、下顎を前に出しても肉が噛み切れないと言うのも無理はない。

本来、矯正治療で治すべきことだったのかもしれないが、ここに至っては、咬合調整が妥当だろう、と説明した。

右側上下側切歯を主に咬合調整し、他にも少し調整した。

結果、前歯部は下顎前方運動で接触するようになり、これで噛み切れるだろうという程度になった。

この患者さんは上下顎6前歯をフィックスドリテーナーで固定してやる。

このことにより、叢生は起こらなかったが、かみにくいという事態が起こったかもしれない。

フィックスドリテーナーがついていなければ歯列が乱れるこによる咬合調整が自然に起こるていたのかもしれない。

このことから矯正治療の仕上げに形態的なものだけでなく機能的なものまで配慮しなければならないと思った。

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