22歳女性の矯正診断を行った。
症例としては特別難しくない1級叢生で、やや口元が出ているため抜歯ケースとなる。
それだけなら特に話題にはならないが、左下7.8に問題があった。
智歯は近心傾斜し第二大臼歯の遠心根にぶつかっている。
それをパノラマレントゲン写真で見ると、重なって写っているのか根吸収を起こしているのかよくわからない。
重なって写っている像はよく見るが、それとはちょっと違うような気もする。
それに加えて第二大臼歯の根分岐部まで含む広範囲に骨透過像と思われる黒い影が広がっている。
パノラマx線写真だけではわかりにくいのでデンタルX線写真も撮ってみた。
それでもよくわからない。後は3D X線写真または歯髄診断器だろう。いずれも当クリニックにはない。
第二大臼歯が救われるものならば、ぜひ保存治療していただき、智歯を抜歯すればよい。
もし第二大臼歯が保存できなければ、智歯をその位置に動かさねばならないだろう。
そんなことを考えて、患者さんの住まいの近くの一般歯科の先生に通常の小臼歯抜歯と共にそのことを依頼した。