今年2月にマルチブラケットをはずした29歳、女性が来院した。
装置をはずした時にはすぐにクリアリテーナーを作製して終日使用を指示する。
1か月後の保定診断をすませ、3か月チェックを2回行い、経過が良いと夜間使用に切り替える。
今日はその日だった。良好な経過だったので夜間使用に切り替えましょうと言った。
そうしたら、患者さんから不安だというような言葉が返ったきた。
数時間はずしているだけでリテーナーがきつくなる、日中はずしたら戻ってしまうのではないかと。
確かにそのような感覚はわかる。そして、それを戻ることの心配と重ねる人もいる。
しかし、私は自己流かもしれないか以下のような説明をする。
わたしがマルチブラケットでの仕上げは形態的にはできるだけ理想に近い状態に仕上げて装置をはずしたつもりです。
しかし、機能的にはそれでよいのかわからない。だからリテーナーでゆるくとどめて、周りの筋肉や噛む力、舌、唇などとしばらく調和させる。
そして、その時間を少なくすると周りの組織となじむために戻りやほかの動きが出てくる。
それがマルチブラケットで仕上げた時とかけ離れては困るが多少の変化は生体との調和で悪いこととは思わない。
しかしさらに戻ることもあるんで夜間使用はできるだけ長くしましょう。 と、こんな言い方となる。
また、歯磨きが現代人の習慣なら、リテーナーの夜間使用は矯正治療を受けた人の習慣となってほしいとも言っている。
そんなわけで私は20年以上リテーナーの夜間使用を続けて昨日、ぼろぼろになったリテーナーを作り直した。
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