矯正治療は歯を動かすことよりもそれを留めることのほうがもっと難しいように感じている。
だから動的治療が終わった後は必ずリテーナーを装着する。
当クリニックでは取り外しのできるクリアリテーナーが多く使われる。
今日はまたリテーナーの使用が悪くがっかりした。
取り外しのできる装置の利点は取ってしまえば口の中には何もなくなり清掃がしやすくなる。
しかし欠点は使うか使わないかは患者さん次第と言うことである。
リテーナーの大切さは初診時、治療開始時、装置撤去時説明している。
そして大多数の患者さんは指示を守って取り外しの装置に協力してくれる。
けれども、指示をまもらずに歯列咬合が戻りがっかりすることがある。
それが動的治療の時もルーズだった人なら仕方がないかと思う。
しかし、動的治療はもうしっかりやって、歯並びにも関心を持ち、最後の仕上げでは細かいことを言っていたのにと言う人がいる。
そういう人の心理はどうなっているのかと思ってしまう。
そこまで細かいことを言って仕上げたんだから留めることも非常に大切にしてもらえないかと思ってしまう。
しかし現実には、あれだけ細かく最後に仕上げたのにという結果になっていることもある。
こうしたことがあるといつも固定式の方がいいのかと思うが、それまた欠点があり、取り外し式の装置を続けている。