当クリニックの保定装置の大部分はクリアリテーナーです。
それは簡単に作れて、透明で目立たず、発音などの影響が少なく便利に使っています。
しかし欠点として、目立たないことが存在感のなさにつながり、なくされたり捨てられたりしてしまうことです。
その次の欠点として口の中で装置を動かして遊び、その結果かみつぶしてしまうことです。
このことも時々あることですが、今日起こりました。
患者さんは13歳男子、 2か月ほど前にマルチブラケット装置を撤去し、クリアリテーナーを装着しました。
今日は急患として下顎のクリアリテーナーが壊れたと言うことで来院しました。
診てみると、下顎右側臼歯部が裂けていました。こんな壊れ方は今までにほとんど見ません。
反対側を見るとつぶれています。上顎のリテーナーも見ると、やはり両側潰れていました。
患者さんに「口の中でいつも動かしていたね」と尋ねました。
照れ笑いをしながら認めました。しかしやってしまう人は時々あります。
きっと、癖になってしまうんでしょうねぇ。
またそうしていることが気持ちのいいことかもしれない。
そんな患者さんの心理を理解した上で、どのように指導すれば、この欠点を克服できるか考えなければならない。