昨年夏、相談に来た10歳男子、厳しい骨格的な反対咬合だった。
最近ではこのようなケースはこの時期成長を待つ観察のみで積極的な矯正治療は行っていない。
しかし、この患者さんの母親は強くこの時期での被蓋改善を望んだ。
厳しいもののなんとか構成咬合が取れるので一応お引き受けしてみた。
ただその際も「なんとか前歯が反対では無い状態にすることはできるかもしれないが、その後の成長でまた反対になる可能性は十分あります承知しておいてくださいね」と説明した。
それで実際には昔ながらの治療のチンキャップ、リンガルアーチ、スライディングプレートこの3点セットで治療を行った。
かなり厳しい状態だったので今まで被蓋改善に期間がかかってしまったが、今日、診て被蓋改善しており、前歯部は安定している状態だった。
しかし顔つきや臼歯部の咬合関係を見ると厳しいものがある。
母親にそのことは毎回説明してあったので理解はしている。
このまま被蓋が安定していてくれればいいのだが現実にはこれからの成長で戻ってしまうのだろうとを心配している。
30年前には頻繁に行われていたこのような治療が現在においては非常に珍しくなった。