2008年に9歳の男子が来院した。
症状は厳しい叢生とクロスバイトその上顎の左側偏位を伴っていた。
その時は顎変形症と診断しきれず、これからの成長の観察と診ていくことにした。
現在12歳となり今日来院した。診てみると永久歯列となり顎の偏位はより厳しいものになっていた。
こういう場合いつから顎変形症としての治療を始めたらいいか難しい。
健康保険が関係なければ現在でも叢生の改善だけでも行っておきたいように思われる。
しかしまだ成長がある今からの保険適用は難しいように思う。
18歳くらいでの術前矯正でやれば健康保険の適用でできるからそこまで待った方が良いようにも思う。
先日の日本臨床矯正歯科医会静岡支部の会合でもその話が出た。
浜松の先生は4歳から適用などと言う事を以前聞いた。
今日のケースの場合、12歳になった今、診断して叢生を改善しておく事はどうだろうか。
手術前の矯正でも、それを抜歯して直す事は可能だと考える。
でも明らかに手術前に抜歯して叢生の改善をする必要があると分かっていれば、今の時期に適用してもよいのではないだろうか 。
それにはこの時期から健康保険による顎変形症を適用しても良いと言うことにならなければ実現できない。
明らかに顎変形症になっていく患者さんに今だけ自費で叢生を治すと言うのも不適当だと思う。
顎変形症には保険適用の難しい問題がいくつかある。