2、3ヶ月前から固定式リテーナーを積極的に使い始めている。
その利点、欠点は理論的には知っている。
しかし、現実的な問題点は数多くやってみないとわからないものだ。
固定式リテーナーを接着して1ヶ月から2ヶ月経った患者さんが来院してきている。
やはり、下顎前歯舌面の歯石の付着及び歯肉炎となっていた患者さんが来院された。
この患者さんは、下顎前歯を舌側に傾斜させて仕上げたため、このような結果になったんだろうと思う。
このような症例には不向きだということは知ってはいたが、新たに認識した。
早速外し、今まで通りのクリアリテーナーに変えた。
もう1人は一部はげたということで急患来院された。確かに一部部はげていたため接着し直した。
この2ケースともに貼り付けた材料は幅の比較的広いメッシュの板だった。
幅の広いメッシの板を使う事は接着が強く、安定につながるだろうと考えていた。
しかし結果は接着力はたいしたことなく歯肉に近いところまで接着剤が及んで、悪い結果をもたらすことがわかった。
使って悪いことばかりではなく、クリアリテーナーを使っていなかったのに、叢生が生じなかったケースも見た。
これからも固定式リテーナーを積極的に使っていくつもりに変わりはないが、諸問題もよく配慮しながらケースを選んでいきたい。