昨年の9月にマルチブラケットはずしリテーナーを入れた患者さんが来院した。
前回の検診は2月で、その時まではリテーナーをよく使用し安定していた。
そのようなときには、それまでの一日中使用から夜間使用に切り替えている。
そこで使わなくなってしまったんだと思う。
上下顎前歯部が叢生となっている。
治療中はかなり協力がよくリテーナーの終日使用のときにはよく使っていた。
にもかかわらず夜間使用に切り替えたとたん使わなくなってしまい今日の結果だ。
今までにも何度か書いたが、決してこういう人はこの人1人ではなく、それまで協力よかった人が、突然そんなことになることもよくある。
前にもいろいろとその心理を調べてみたがよくわからない。
どうして楽になる夜間使用の時に変わったのに使わなくなってしまうのだろう、それまで一生懸命やったのに。
前にも書いたかもしれないが良い状態のときに「良い状態だね」と言ってしまってはいけないような気がする。その安心感からかもしれない。たぶん3ヶ月前に言ってしまったのだろう。残念だ。
近頃はリテーナーが十分使われなくても前歯の叢生が起きないように上下顎前歯に固定式リテーナーを貼り付けている。
もし、この患者さんにもそれがやってあったらば、そんな事は起きなかったろう。
はたしてそれでいいのだろうかという疑問が残るが時代の流れで、患者さんに協力を求めるのは無理があるのかもしれない。