当クリニックではマルチブラケットの治療期間を2年以内にと目指している。
その後半では今まで、とかく装置撤去を急ぎ、細かい仕上げをおろそかにしてきたような気がする。
やはり専門医たるもの、治療期間が早いだけでなく、仕上げの精密さも重要であると考えるに至った。
そこで数カ月前より、マルチブラケット開始から1年2か月経った時に、資料を採り検討することにした。
その資料はレントゲンに加え歯列模型や口腔内写真を撮り、それらを検討して、その後の仕上げについて考えて記録する。
レントゲン写真は4ヶ月に1回撮影し歯根吸収や歯根の平行性を確認している。
歯列模型では裏側からの咬みあわせを見ることができる。
今日は12歳女子でマルチブラケット開始から1年2か月たった患者さんが来院にした。
そこで、この患者さんのこれからの仕上げ検討するために資料を採った。
そのケースは抜歯ケースだが、レントゲンを見ると抜歯した隙間を急いで閉鎖している様子がわかる。
スキマの閉鎖は進んでいるが、歯根の平行性は不十分だった。
そこでブラケットの位置を6カ所、付け直して柔らかいワイヤーに戻した。
このように1年2ヶ月の資料採得を機会に良い仕上げと治療期間短縮の2つが実現できるようにしたいと思っている。