今日の診断は15歳男子、結構厳しい上顎前突だった。
上顎前突だから、上顎が前に出ていて当たり前かと思うが、実際は、上顎はそれほど前に出ていなくて、下顎が後退や後方回転している場合が多い。
今日の診断の患者さんも側貌では、下顎が後退しているように見えて、オトガイと見られるような膨らみは無い。
当然、下顎の後退を疑いセファロ分析を見た。
すると、下顎はほとんど平均値に大きさ位置ともある。
上顎は標準値よりもはるかに前方位にある。
こうしてみると、上顎前突といわれる症例も上顎と、下顎の相対的な位置関係で成立するのだから、そのどちらが標準値でなくても同じような顔に見えるのかもしれない。
だから、治療方針も相対的に良い方向に向ければよいのではないだろうか。
分析の値が上顎または下顎だけの異常を示していたとしても、そこだけを治療の対象と考えずに総合的に考えていくのも大切なことだろう。
そんなことをと今日の症例から教えてもらった。