
2年前に10歳で来日した男の子、厳しい骨格性の下顎前突であった。
最近ではそのようなケースは治療しないで成長の終わるのを待って診断する。
しかし、そのケースでは母親が強く混合歯列期での被蓋改善を望んだ。
構成咬合がとれてバイトが深かったため、なんとかやってみることにした。
1年ぐらいかかったが、なんとか被蓋改善を果たせた。
被蓋改善のために使ったリンガルアーチやチンキャップはそのまま継続していた。
今日、そのリンガルアーチが壊れたと言って来院した。
この暑いのにチンキャップも一生懸命使っていた。
リンガルアーチは壊れたのをきっかけに撤去した。
チンキャップをどうするかだが、現在12歳、もうチンキャップを使うような年齢ではなさそうだ。
これをきっかけに中止することにした。
現在は正常な被蓋関係で落ち着いているように見えるが、顔つきを見るととても心配だ。
観察で半年に1回見せてもらい成長の終わるのを待つしかない。
どうなっていくか、このまま終了できるか、抜歯ケースか、外科ケースになるか成長の予測は本当にわからない。