今日の矯正相談は18歳の男子大学生だった。
主訴は歯並び、診ると上顎右側側切歯は完全に口蓋側転位していた。
そして、右側の小臼歯、大臼歯部はクロスバイトになっていた。
顔面を正面から見るとやはり右側に下顎がずれているようだ。
だが、正中は上顎が右側にずれているため、ほとんど上下顎が合っている。
問診票には歯並び咬みあわせ関係して顔つきの不満はないと書いてあった。
それを相談者に確認して顎変形症の話はしないで矯正のみで解決するやり方を説明した。
そして最後に下顎のズレのことを確認した。
そうしたら歯並びを治せばそれも治ると思っていたという。
私はそれは期待できないと答えた。
だから最初に歯並び咬み合わせに関係して顔つきを気にしているかどうかを聞いたんだ。
やっぱり顔つきのことを気にしていたんだ。そのことが最初の段階で聞き出せなかった。
そういう事はよくある。患者さんが言いにくいこと、言わなくても期待していること、それを相談の中で見抜かなければいけない。
それには熟練が必要だ。