毎日の診療で気付いたこと

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成人式でブラケットを撤去したら

マルチブラケットによる治療は2年くらいかかる。

その間ブラケットはつけっぱなしで通常はずす事は無い。

術者側ではブラケットはずすと、治療の継続に支障がでるので、できるだけ避けたい。

そしてブラケットがついたままでも日常生活に全く問題ないと考えている。

しかし、患者さんは私たちと同じ考えとも限らない。

初診の相談の時によく聞かれるのは「成人式の時に取ってもらえないのか」とか、「結婚式の時に取ってもらえないか」などとよく聞かれる。

その時には「基本的な考え方ははずさないですが、どうしても気にになった方は見えるところだけはずした例もあります」などと説明していた。

今日の20歳の患者さんは、審美的なブラケットとワイヤーをつけて今まで1年ほど治療してきた。

成人式の前にブラケットをはずしたいという要望があった。

結局、上顎の四前歯のブラケットをはずすことになった。

そして、それをまた付ける予約もとっておいた。

それが今日だった。 1週間程度だから何の保定装置も考えなかった。

今日、見てみると、その四前歯に叢生が現れていた。

初診の写真を見るとその部分叢生が強い患者さんだった。

その結果、スペースクロージングを角ワイヤーで続けることができず再度レベリングのワイヤーを入れることとなった。

そのことは、治療期間が1ヶ月延びることにつながる。

それでも、それを承知してブラケットをはずして成人式に臨んだことが患者さんの満足につながれば、それでも良いと思っている。

私の所属する日本臨床矯正歯科医会では毎年行っているブレイススマイルコンテストはこのようなことがないように啓発のために行っているんだろう。

しかし、まだまだ現実にはこんな状況がある。

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