28歳女性が来院された。
その患者さんは昨年12月より上顎にリンガルアーチの入れることにより中切歯を前方に押し出していた。
先月被蓋改善が行われそうになっていた。
その時期は臼歯部が噛めずに苦しいが、しばらくすれば改善すると伝えてあった。
今日見ると前歯部は被蓋改善し臼歯部も安定して噛んでいた。
この女性は骨格的に反対咬合なのだが、上顎の中切歯は口蓋側に傾斜しており、それを治すことにより被蓋改善は可能とみていた。
目標通り3から4ヶ月でそれは実現できた。
そこから先はその時点で相談することにしていた。
下顎の前歯に叢生がある。被蓋改善すると次はそこが気になるようだ。
しかし、その叢生を単純に並べるとまた反対咬合になってしまう。
それでは意味がないので下顎前歯の1本抜歯や左右第2小臼歯の抜歯など考えてみた。
それを行うといずれも隙間が余る。
パノラマレントゲン写真を見ると、さいわい下顎の智歯が両側とも無い。
これなら、下顎臼歯部の遠心移動が可能かと考えて提案した。
もちろん、最近多く使われだしているアンカースクリューを固定源に使うわけだ。
この提案でご了解いただき進めることとなった。
なんとかこれで非抜歯で良い結果を得たいと考えている。