毎日の診療で気付いたこと

ブログ記事 合計 3532

固定式リテーナーの功罪

午前20歳の男性の患者が来院した。

その患者さんは1年余り前に、マルチブラケットを撤去して保定に入っている。

その保定装置は上下顎前歯部に固定式リテーナー、それをカバーするようにクリアリテーナーを作りそれは夜間使用してもらった。

その1年間の間にもクリアリテーナーでの協力は良くなかった。

今日はクリアリテーナーをなくしたために、急患として来院している。

しかし、それを無くしたのは1ヶ月以上前のことだそうだ。

どのようになっているのか心配で、恐る恐る口の中を見た。

初診時は厳しい叢生を伴う上顎前突であった。

それをなんとか、叢生は改善し口元は十分後退させられなかったが上顎前突は改善した。

だからリテーナーが使われていない状態はとんでもないことになることが想像つく。

しかし、診てみると固定式リテーナーは上下ともついている。

その結果なのだろう。一見問題なく見えた。

細かく見れば抜歯した隙間が少し入ってきたりしていたが、まずまず安定していた。

そして口の中の衛生状態をチェックするととても悪い、それとも関連するかのように、下顎の前歯部舌側の固定式リテーナーには歯石がべったりとついていた。

今日は固定式リテーナーが部分的に接着がはずれていた部分を修復しクリアリテーナーはもう協力が得られないだろうと考えて再製作はしなかった。

1年以上前に積極的に取り入れた固定式リテーナーは患者さんの協力を得ることがなくても安定させることができる。

しかし、やはり協力を得て取り外し式のリテーナーを使った方がもっと良いのではないだろうか。

治療について

MENU
PAGE TOP