下顎の両側の第二小臼歯を抜歯することはよくある。
その際、通常のレベリングを進めているとその抜歯部分に舌が入り込み、その次のクロージングで閉鎖が困になることがある。
その対策として第一大臼歯と第一小臼歯の直接パワーチェーンで引いてしまう。
それは以前からも時々行ってはいたが、そうすれば、両側の歯が抜歯空隙に倒れ込むが隙間はすぐに閉鎖する。
今日は24歳女性の下顎でそれを経験した。
この患者さんは極端な上顎前突で顎変形症として治療が始まっていた。
上顎にマルチブラケット装置をつけ、続いて、下顎につける予定だったが上顎をつけた際に、下顎の第一大臼歯と第一小臼歯にバンドやブラケットをつけてパワーチェーンで2ヶ月ほど引いてあった。
今日、下顎に装置装着するときには、両側の第二小臼歯の抜歯スペースはほとんど閉鎖していた。
また第一大臼歯が近心移動するため、第2大臼歯へのバンドはセパレーションなしに容易に装着できた。
こういうやり方は基本ではないと思っている。しかし、それを心得ていればやってもいい方法だと思っている。