初診時8才の女の子、反対咬合で顎が右側にずれていた。
顎変形症を疑いその時期には積極的なことはしなかった。
それでも永久歯萌出スペースの確保や側方拡大 、被蓋改善など行ってきた。
永久歯列となり、右上犬歯の萌出方向の異常があり、成長の心配もあったが、マルチブラケットによる治療を開始した。
ゴムかけへの協力が良く、2年4ヶ月ほどで、良好に仕上がった。
その後、保定していたがほぼ安定した経過を観察していた。
今日は1年リコールで来院、すでに高校3年生となっていた。
診ると前歯部が軽度の開咬となっている。おそらく舌癖だ。
今まで大変な治療を長期にわたり行ってきて、最後がこれではがっかりしてしまう。
状況を伝え、再治療の相談をした。
母親も本人も治療前向きだった。
早速、簡単な資料を採り、時間の都合が付いたのでブラケットを付けワイヤーを入れてしまった。
治療費は処置料(1回5000円)のみで行うことにした。
たぶん卒業までには装置撤去が可能ということで始まった。
患者さんの了解を得て、負担も軽い状況で初めてが、これは術者の仕上げに対してのこだわりかもしれない。