近頃、反対咬合を主訴とする患者さんは多くない。
35年前の開業当初とは大違いだ。こんな人類にとっては短い期間で骨格が変わるものだろうか。
大抵、叢生、上顎前突、上下顎前突、正常咬合(?)の相談ばかりだ。
そして、反対咬合でも、成人なら顎変形症として健康保険の治療となるし、低年齢でもチンキャップを作らず、口腔内だけの装置で治療してきた。
今日は8才の男の子に数年ぶりにチンキャップを作った。
道具や材料は戸棚の奥の方にしまってあり、捨ててはないが、出して使うのも久しぶりだ。
ゴムも近頃購入していないので劣化していないかと気になった。
しかし問題なく口の中にはリンガルアーチ、口腔外にはチンキャップのコンビを装着して今日の治療は終わった。
開業当初はこの時期に、これから続く長い治療の施術料の全額をいただいた(預かったと言う性格もあるが)。
しかし、今は混合歯列期の最初の支払いのみで当時の1/5程度だ。
同じ仕事をしていても、考え方ややり方は変わっていく。
この道をだいぶ長く歩んできたものだ。