現在は6歯以上の先天欠如は健康保険での矯正治療の対象となっている。
今日来院の22歳の女性は2007年に当クリニックで空隙歯列と開咬の治療を開始し、2010年には終わっている。
当時は健康保険の対象外だったので自費で治療を行って、良好な結果を得て欠損部には保定の意味で仮の接着ブリッジを入れて終了している。
今日、診たところ、仮のブリッジは一部壊れ、開咬状態も少し現れるている。
現状について相談すると、再度、矯正装置をつけても、治したい意向であった。
今では補綴も可能な年齢となってきているので、再治療をすることになった。
そうなると今度は健康保険適用でできる、できるというよりそれでやらなければいけないことになる。
10年の間に、保険でできる矯正の項目に「一言」加わると状況が変わってくる。
保険医はこの一言に一喜一憂することになる。
さらに、その書いてある一言の意味(疑義解釈)、グレーゾーンなどに日々悩みながら診療を行っている。
しかし、増えてきたというものの矯正は保険診療の割合が少ないほうだ。
保険診療がほとんどの一般歯科は本当に大変だと思う。
矯正歯科を開業する若い先生方で健康保険を扱わない割合が多くなってきているようだ。
40年ほど前に「唇顎口蓋裂」から入ってきて、徐々に適用範囲を広げてきた保険でできる矯正。
今後どうなることやら。