今日、午前、25才の女性のマルチブラケット治療を終了を決定し、固定式リテーナーをつけた。
この患者さんは両側大臼歯が厳しい鋏状咬合での上顎前突、叢生で治療方針に悩んだ。
初めは鋏状咬合の下顎第2大臼歯を抜歯し未萌出の智歯を利用する案を出して依頼書まで書き渡した。
しかし、後でその治療方針が気になって、電話して取り消し通常の小臼歯抜歯に切り替えた。
それから治療期間中どのように良い結果を出すか悩みの連続だった。
アンカースクリューや一時期、片側のバイトを挙げて咬まなくしてその間に治す。
そんなことを考えたが、アンカースクリューは患者さんがいやがり、バイト挙上咬めなくて苦しいだろうとためらっていた。
そのなことをしているうちに1年が経ってしまった。やはりバイトを挙げることにして左第一大臼歯咬合面にレジン盛った。
さぞかし噛めずに苦しいだろうと思ったが。それほどでもなかったようだ。
その結果、2年が過ぎる頃、鋏状咬合は改善した。でもまだ抜歯空隙があり、オーバージェットが大きい。
患者さんにはいつも治療期間は2年を目指していますと言っている。
2年経過時には、状況と見通しを伝え、相談する。
この患者さんは早くとって欲しいと言っている。
見通しを聞かれ、あと半年の猶予をいただいた。
2年半の時点で抜歯空隙やオーバージェットは改善したが、小臼歯部の歯軸のコントロールが不十分だ。
あと3ヶ月の追加猶予をいただき今日に至った。
結果的に2年8ヶ月の治療は、矯正歯科ではとんでもなく長い期間ではないと思う。
でも2年以内を目指している私にとってはつらい2年経過してからの日々だった。
今日それが、ほぼ満足のいく結果で終了を決定できてホッとしている。
後から思えば説得して早期にアンカースクリューやバイト挙場をしていれば治療期間2年だったかも知れない。
患者さんも良く協力してくれた。ありがたいことです。