23歳女性の保定開始後4年の検診を行った、
この症例はⅠ級叢生で上下顎前突傾向だった。
1年8ヶ月ほどのマルチブラケット治療で良好に改善した。
その後の保定も協力がよくて保定開始後2年でとても良かったので、専門医更新の展示に使おうと思っていた。
結局、使わなかったが昨年まではカルテに「良好」と書いてあり舌癖など書いてなかった。
今日、診せてもらうと上顎犬歯間幅径がやや狭くなり、上顎4前歯が少し出ていて、咬合時に下顎前歯との間に少し隙間がある。
すぐに舌癖を疑った。つばを飲み込んでもらうと頰にくぼみができる。
その時の舌の位置を聴くと上下顎前歯の間と言っている。
明らかに舌癖だ。
クリアリテーナーをチェックするとやや不適合、使用も不十分なようだ。
クリアリテーナーは幅径を保持する力は弱い。でもそれを使用しなくなり、より犬歯間幅径が小さくなり上顎4前歯が唇側傾斜する。
そこへ舌が入り込み癖なったのではないか。これは、その状態も診て仮説だが、どんなものだろうか。
私は口腔周囲筋の訓練は積極的ではない方なので、指摘に留めておいたが、終了ではなく来年も観察となった。