高校2年生男子のマルチブラケットの撤去を行った。
この患者さんは2年余り前に厳しい上顎前突でほかの矯正歯科医院で顎変形症と診断されていた。
確かに外科併用も考えられるが、上顎のみの片顎抜去で改善できるとみて始めた。
短期間でオーバージェットは少なくなり、治療期間も短期間ですむとの見通しをもっていた。
ところが治療も後半になり、協力が問題となった。
ゴムかけ、歯磨きの協力がとても悪かった。
そのためもう少しオーバージェットを減少させようとゴムを指示してもよい結果にならない。
歯磨きが悪いため歯頚部の白濁、歯肉の肥厚がひどい状態になった。
そして、ついに目標の2年を超えてしまった。
あきらめようかと思ったが最後1か月ということでゴムかけを頑張ってもらい、それなりの結果を得た。
それで今日装置をしたわけだが、歯肉と白濁はがっかりするような状態だった。
ブラケットがはずれてしっかり歯磨きを行えば1か月後の検診で歯肉は改善しているかもしれない。
白濁も昔はあきらめていたが、リナメルの使用である程度の改善が望めるようになっている。
来月の検診で改善していることを期待している。
また術後の検査を行ったが初診時オーバージェットが大きすぎて測定不能だったボタンプルの値が通常の値以上になっていた。
このことについては見た目だけでなく機能を回復できたことをうれしく思った。