13歳の女子の診断を行った。
主訴は左上中切歯の捻転だけだった。
しかし、症状はそれだけではなく、かみ合わせが深く、両側臼歯咬合関係はⅡ級だった。
上顎前歯はやや舌則傾斜しているためオーバージェットは小さく出っ歯な感じがしない。
患者さんは左上中切歯1本のねじれだけで簡単と考えていることは十分推察できる。
しかし、これは意外に難しいと考えた方がいい。
抜歯ケースと決めてしまえば気が楽だが、なんとか非抜歯でできないかと考えてしまう。
それを1年半ほど前にやってしまったケースを思い出した。
今回のケースと年齢も歯型もそっくりだ。左上のねじれの方向が逆なだけだった。
そのケースは非抜歯で始まり、半年ほど経った頃オーバージェットが取り切れないと感じるようになった。
しかし非抜歯にこだわり1年間引きずってしまった。結局、上顎の両側第一小臼歯を抜歯することになった。
今日の診断時にそのケースの歯型をみせて説明た。
母親は抜歯に納得し始めたようだが、患者さんはまだ非抜歯を望んでいるようだった。
私も非抜歯でやってみたい。結局、半年間だけ非抜歯を試みることになった。
年齢は低いがアンカースクリューを応用したりカリエールも使ってみようと思っている。
なんとか非抜歯で治療を終わらせたいと思っている。