25歳女性のマルチブラケット装置の撤去を行い資料採得した。
この患者さんは診断時、著しい歯根吸収を指摘した。
前歯から小臼歯に書けて通常の歯根の半分以下だった。
診断時に歯根吸収について十分に説明した。
私はだいぶ昔になるが、歯根吸収について研究し、日本矯正歯科学会やアメリカ矯正歯科医会で展示発表している。
だから、ある程度だが歯根吸収については分かっている。
このように最初から短い症例は大きな率で短くはなりにくいという私見をもっている。
そこでも、さらに短くなる心配を十分伝えたが、とても治療の希望したので開始した。
こういうケースでは歯を大きく動かしたくないが、このケースの場合、抜歯にせざるを得なかった。
また動的治療期間とともに歯根が短くなることも分かっているのでできるだけ短期を目指した。
今日の装置撤去は装置装着から1年半、大人の矯正治療にしては短い方だ。
そして装置を撤去し、パノラマX線写真を恐る恐るみた。
まだ精査はしていないが、初診時と大きく変わっていないようだ。
歯列や咬合は良好な仕上がりだったので、心配しながらも引き受けて良かったのだろう。
これからはもう歯根は短くならないだろうから、歯周病で歯槽骨を下げないように注意した。